健診で甲状腺の腫大や甲状腺腫瘍、しこりを指摘されたら 

横浜市で開業している、みたに内科循環器科クリニックの三谷です。

今回のブログでは、『健診で甲状腺の腫大や甲状腺腫瘍、しこりを指摘されたら』について、お話ししたいと思います。

甲状腺の腫大やしこりを指摘された場合、大きく分けると甲状腺が全体的に腫れる病気の場合と甲状腺腫瘍の場合があります。

甲状腺が全体に腫れる病気には、バセドウ病、橋本病、単純性甲状腺腫などがあります。

《バセドウ病》

バセドウ病は、自己免疫疾患です。甲状腺細胞を刺激する抗体が体内で産生され甲状腺細胞の数を増加させ、結果として甲状腺全体が腫大し、血中甲状腺ホルモン濃度が高まり、通常以上に新陳代謝が高まります。
そのため、動悸・発汗・手の振るえ(手指振戦)・体重減少・疲れなどの症状が現れます。時として眼球の裏側の軟部組織が肥大し目が前方に出る(眼球突出)こともあります。

《橋本病》

バセドウ病と同じく自己免疫疾患ですが、甲状腺細胞を攻撃する抗体が産生されるため、血中甲状腺ホルモン濃度が低下し、それを補おうとして甲状腺が腫大します。
新陳代謝が低下するため、活動性がなくなり、疲労感や、やる気のなさ(時としてうつ病と誤診される事があります)また、むくみなどの症状が現れます。

《単純性甲状腺腫》

甲状腺全体が通常よりも大きいですが、しこりもなく甲状腺ホルモンの異常もありません。特別な治療はありません。

《甲状腺腫瘍》
甲状腺にできる腫瘍には、良性と悪性があります。甲状腺腫瘍のうち、悪性腫瘍の割合は約10%です。良性腫瘍には、濾胞腺腫と、腺腫様甲状腺腫や嚢胞などが含まれます。悪性腫瘍(甲状腺癌)は、乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、低分化癌、未分化癌、その他(悪性リンパ腫など)に大別されます。乳頭癌が最も多く、次いで濾胞癌、髄様癌、未分化癌となっています。

甲状腺に腫瘍がみつかった場合、まずは超音波検査を行い、悪性が疑われれば、精密検査として穿刺吸引細胞診を行って良悪性の鑑別を行います。ただし手術を行わないと、良性と悪性の区別がつかない場合もあります。

《甲状腺腫瘍の治療》
良性腫瘍であれば、原則的に治療はせず、経過観察します。ただし、腫瘍が大きく美容上気になる場合や圧迫症状が強い場合、あるいは悪性腫瘍の合併が疑われる場合などは手術を行います。嚢胞や機能性甲状腺結節の場合には、表面から針を刺して腫瘍内にエタノールを注入して腫瘍を壊死させる治療が行われることがあります。悪性腫瘍の場合は、手術が基本となります。

甲状腺腫瘍や甲状腺腫大は、大きくなるまでは、明らかな自覚症状がない場合も多いため、放置されてしまう場合も多いのですが、治療が必要な悪性腫瘍の場合もあるので、健診で指摘された場合や、自分で触ってわかった、鏡をみてわかった場合は、なるべく早く検査を受けてください。

当院にご来院いただければ上記方針で検査いたします。

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