健診で、高脂血症、脂質異常症を指摘された方へ:動脈硬化の程度も調べないと危険です 

横浜市で開業している、みたに内科循環器科クリニックの三谷です。

今回のブログでは、『健診で、高脂血症、脂質異常症を指摘された方へ:動脈硬化の程度も調べないと危険です』について、お話ししたいと思います。

日本は、食事が欧米化したため、動物脂肪過剰型の食事をとっている人が増加しています。また車社会になり、運動不足の状態が日常化しています。そのため、健康診断で高脂血症、脂質異常症を指摘される人が年々増加しています。国民健康・栄養調査によると、高脂血症、脂質異常症の人は、30才以上の3割にのぼります。

高脂血症、脂質異常症自体は症状がまったくないので油断していると、静かに血管の動脈硬化が進み、血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞となり、やがて、寝たきりになります。つまり、健康診断で高脂血症、脂質異常症を指摘された場合、『気をつけないと脳梗塞や心筋梗塞になるよ、寝たきりになるよ』と言われたのと同じ事になります。

現在、厚生労働省のデータによると、平均的な要介護期間は、男性は約10年、女性は約13年となっています。介護状態になると、本人がつらいだけでなく、家族の負担も増え、老人ホームの費用など出費も膨大となります。できるだけ健康でいる時間を延ばすことが理想的です。

高脂血症、脂質異常症の原因として、大きくわけると3つあります。

1つ目の原因として、肥満の方によくみられる、食事の摂り過ぎにより、脂質を取り過ぎている場合です。

2つ目の原因として、コレステロールなどは、肝臓でも合成されますが、肝臓でコレステロールを過剰に増産し過ぎて高脂血症、脂質異常症となるケースです。やせているのにコレステロールが高い、家族(血縁関係)に高脂血症、脂質異常症の人がいる場合は、このケースに該当します

3番目の原因として、橋本病などの甲状腺機能低下症により代謝が低下して、高脂血症、脂質異常症となるケースです。

橋本病は女性の10人に1人、男性の30~40人に1人はいると言われていますが、健診項目や通常の医療機関の検査項目には無いので、見逃されているのが現状です。橋本病は、知らずに放置しておくと、動脈硬化が進み、中年で脳梗塞や認知症になるこわい疾患ですが、血液検査で簡単に調べる事ができます。

高脂血症、脂質異常症を指摘されたら、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の値に一喜一憂するだけではなく、将来、高脂血症、脂質異常症から、心臓病や脳梗塞により寝たきりになるのを防ぐため、現在の動脈硬化の程度を調べる事が、とても重要です。

頚動脈エコー検査で、現在の頚動脈の動脈硬化の状態が簡単に調べられ、また、頚動脈の先にある脳動脈の動脈硬化の程度を予測する事ができます。

大阪の国立循環器病センターで、約5000人の人を、約13年間追跡したところ、頚動脈に動脈硬化巣が認められた人は、動脈硬化の程度が強いほど、脳卒中や狭心症・心筋梗塞になりやすい事がわかりました。

心臓のエコー検査と血液検査でBNP値を測定する事により、高脂血症、脂質異常症による動脈硬化で生じた、現在の心臓弁膜症の状態や、心不全への進行の程度が、簡単に分かります。

一番大事な点は、高脂血症、脂質異常症を指摘されたら、そのまま様子を見るのではなく、循環器科で診察をしてもらう事が重要です

当院では、現在のあなたの高脂血症、脂質異常症の程度を確認するとともに、橋本病など背後に隠れている疾患の検索を行います。また、将来、高脂血症、脂質異常症から、心臓病や脳梗塞になり、寝たきりになるのを防ぐために、エコー検査等で、あなたの現在の動脈硬化の程度を調べます。そのうえで、一番良い治療法を、皆さんに提示したいと考えております

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